H1N1新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)について(Q&A)

最終更新日2009年5月2日午後5:23(米国東部標準時)

H1N1インフルエンザ(豚インフルエンザ)とは何ですか?
H1N1(はじめは「豚インフルエンザ」と呼ばれていた)とは、新型のインフルエンザで、ヒトに症状を引き起こします。この新型ウイルスは、米国では2009年4月にヒトではじめて検出されました。メキシコやカナダなど他の国でも、この新型ウイルスによるヒトの発症が報告されています。このウイルスは、ヒトからヒトへ、通常の季節的なインフルエンザウイルスの広がり方とおそらく同じようにして、広がっています。

なぜこの新型H1N1ウイルスは「豚インフルエンザ」と呼ばれることもあるのですか?
このウイルスが、当初「豚インフルエンザ」と呼ばれていた理由は、臨床検査でこの新型ウイルスの多くの遺伝子が、北米で豚で普通に発生するインフルエンザウイルスに極めて似ていたからです。しかし、さらに詳しい調査で、この新型ウイルスは北米の豚で普通に流行するものとは著しく異なることが明らかになりました。このウイルスはヨーロッパやアジアで豚に普通に流行するインフルエンザウイルスからの2つの遺伝子と、トリインフルエンザの遺伝子と、ヒトの遺伝子を持っています。科学者はこれを「4つの型のリアソータント(合併結合変異)」ウイルスと呼んでいます。

豚はこのウイルスを持っているのですか、またヒトが豚から感染することはありますか?
この時点で、米国の豚がこの新型ウイルスに感染しているとのエビデンスはありません。しかし、豚でよく流行して症状を引き起こすインフルエンザウイルスはあります。ほとんどの場合、それらのウイルスはヒトには感染しませんが、インフルエンザウイルスは豚とヒトとの間を行ったり来たりして伝染することはあります。

米国で人が豚インフルエンザに感染したことはありますか?
はい。ヒトがこのH1N1インフルエンザウイルスに感染した例は、米国では南カリフォルニアとテキサス州グアダループ郡付近で初めて確認されました。そのとき以来流行が急速に激化し、各州からこのウイルスによる発症例の報告がどんどん増えています。米国で新型のH1N1ウイルスへの感染が確認された人の最新の統計が<http://www.cdc.gov/swineflu/investigation.htm>に記録されています。CDCと地元および州の保健当局が共同で状況の調査を行っています。

この新型ウイルスは伝染するものですか?
CDCはそのウイルスは伝染するもので、ヒトからヒトへと伝染しているとの判断を下しました。しかし、この時点では、ウイルスがヒト−ヒトの間でどのくらい伝染し易いのかは、わかっていません。

ヒトではこのウイルスはどのような徴候や症状がみられるのですか?
この新型のA型H1N1ウイルスのヒトの症状は、通常のヒトインフルエンザの症状と同じようなもので、発熱、咳、のどの痛み、体の節々の痛み、頭痛、悪寒、疲労感などがみられます。このウイルスの感染者のかなりの数が、下痢やおう吐もありました。また、季節的なインフルエンザウイルスのように、このウイルスの発症により重症、あるいは死亡した人もいます。

この新型のH1N1ウイルスに感染すると、重症になりますか?
この時点では、このウイルスによる一般の人の症状がどの程度になるかはわかっていません。CDCは現在このウイルスに感染した人の病歴を調査して、このウイルスの感染によるリスクや、感染による重症または入院のリスクが高い人を判断しようとしています。季節的なインフルエンザでは、インフルエンザによる重い合併症になるリスクの高い人たちがいます。幼児、妊婦、慢性疾患をかかえている人、65歳以上の高齢者などです。この新型インフルエンザの感染による重いインフルエンザ合併症のリスクの高い人たちがいるのかどうか、この時点ではわかっていません。CDCはまた、年齢によって、このウイルスに対する自然免疫を持っている人たちがいるのかどうかについても、臨床検査をして調査を行っています。

この新型のH1N1ウイルスはどのようにして広がるのですか?
このH1N1ウイルスの広がり方は、季節的インフルエンザと同じようにして起こると考えられています。インフルエンザウイルスは主にインフルエンザにかかっている人の咳やくしゃみを通してヒトからヒトへ伝染します。時には表面にウイルスが付いている物に触り、その後自分の口や鼻を触ることで感染することもあります。

豚肉を食べたり調理することによって、この新型のH1N1ウイルスに感染しますか?
いいえ。H1N1ウイルスは食物を介しては伝染しません。豚肉を食べたり、豚肉から作られたものを食べてこの新型のH1N1ウイルスに感染することはありません。適切に処理され調理された豚肉の加工品は食べても安全です。

水道水を飲むと感染するリスクはありますか?
通常の殺菌処理過程で処理された水道水は、インフルエンザウイルスが伝播する危険性はないと思われます。現行の飲料水処理規定は、ウイルスからの高度の保護を定めています。新型H1N1インフルエンザウイルスの通常の飲料水の処理過程に対する感受性についての調査は、完了しているものはありません。しかし、最近の調査では、飲料水処理施設で通常使用される遊離塩素の濃度は、極めて病原性の高いH5N1トリインフルエンザを不活性化するのに十分です。新型のH1N1など他のインフルエンザウイルスも、同じように塩素処理により不活性化されると思われます。今日まで、インフルエンザに汚染された飲料水を飲んでインフルエンザにかかったヒトの例は報告されていません。

新型のH1N1インフルエンザウイルスは、水泳プール、温泉、ウオーターパーク、インタラクティブな噴水システム、その他の殺菌処理された水の娯楽施設を介して広がることはありますか?
CDCが推奨する殺菌濃度(プールでは1-3ppm、温泉では2-5ppm)では、インフルエンザウイルスが伝播するリスクはないと思われます。現在のところインフルエンザウイルスに汚染された水泳プールに入ったためにインフルエンザに感染したヒトの例は報告されていません。水泳プール、温泉、ウォーターパーク、インタラクティブな噴水システム、その他の水の娯楽施設で使用されている塩素やその他の消毒剤に対する新型のH1N1ウイルスの感受性に関する研究は、完了したものはありません。しかし、最近の調査では、CDCの推奨する遊離塩素の濃度は、極めて病原性の高いH5N1トリインフルエンザを不活性化するのに十分であることが示されています。新型のH1N1のような他のインフルエンザウイルスもこの濃度で不活性化されると思われます。

水の娯楽施設で水中以外でH1N1インフルエンザウイルスが広がることはありますか。
はい。水の娯楽施設は他の場所となんら変わりありません。このH1N1の伝染は季節的なインフルエンザと同じようにして起こると考えられています。インフルエンザウイルスは主に、インフルエンザにかかった人の咳やくしゃみを介してヒトからヒトへと広がります。時には、ドアノブなど表面にウイルスがついている物に触り、その後自分の口や鼻に触って感染することもあります。

感染するのを防ぐにはどうすればよいですか?
まず、最も重要なこと、それは手を洗うことです。全身の健康状態をよく保つよう心がけます。睡眠を十分とり、体をよく動かし、ストレスをうまく処理し、水分を十分とり、栄養のある食物を食べましょう。表面がH1N1(豚インフルエンザ)ウイルスに汚染されている物の表面には触らないよう心がけましょう。発症している人との密接な接触は避けましょう。

この新型H1N1ウイルスを治療する薬はあるのですか?
はい。CDCはこの新型のA型インフルエンザ(H1N1)ウイルスの感染に対する治療と予防に、オセルタミビル(タミフル)またはザナミビル(リレンザ)の使用を推奨しています。抗ウイルス薬は処方薬(錠剤、液剤、吸入薬)で、インフルエンザウイルスが体内で増殖するのを抑えます。感染した場合、これらの抗ウイルス薬を使えば症状を軽くし、早く回復させます。インフルエンザによる重い合併症も予防します。今回の大流行の間、インフルエンザのための抗ウイルス薬は、重症のインフルエンザの治療に優先的に使われます。

感染したヒトが他のヒトに感染させる可能性のある期間はどのくらいですか?
現時点でCDCは、このウイルスの広がり方は季節的なインフルエンザウイルスと同じようであると考えています。季節的なインフルエンザでは、症状が出る1日前から発症後7日間まで伝染する可能性があることが調査で明らかになっています。子供、特に幼児ではさらに長い期間である可能性があります。CDCはウイルスとその感染力についてさらに詳しく知るための調査を行っているところで、詳しい情報が得られ次第、提供していきます。

何の表面が最もウイルスの汚染源になりやすいですか?
ウイルスは、ウイルスに汚染された物を触った後、自分の目や鼻や口を触った場合に広がります。感染者の咳やくしゃみの飛沫は空中を飛びます。他の人の呼吸器からの飛沫が机のような物の表面に付き、それに触った後、手を洗う前に自分の目や口や鼻に触った時にウイルスの感染が起こります。

発症しないよう、どのように体を守ればいいですか?
この新型のH1N1ウイルスから体を守るためのワクチンは現在のところありません。インフルエンザのような呼吸器の病気の原因となる病原体の繁殖を防ぐのに役立つこととして、毎日やれることがいくつかあります。健康を守るためにそれを毎日やりましょう。

●咳やくしゃみをするときは鼻と口をティッシュで覆いましょう。使い終わったらティッシュを屑かごに捨てましょう。
●手は石鹸と水で頻繁に洗いましょう。特に咳やくしゃみをした後には必ず洗いましょう。アルコールの入ったハンドクリーナーも効果的です。
●目、鼻、口などには触らないようにしましょう。手で触ることによってウイルスは広がります。
●症状のある人との密接な接触はなるべく避けるようにしましょう。
○発症したら、症状が出てから7日間、もしくは症状が24時間みられなくなるまで、のいずれか長いほうの期間、外出を避けましょう。これは他の人に感染させてウイルスがさらに広がるのを防ぐためです。
他にあなたがやれる重要なことは、
・学校閉鎖、人混みを避ける、その他社会と距離をおく措置などに関する保健所の助言に従う
・万一発症して1週間余り外出できない時のための準備をしておきましょう。市販のかぜ薬、アルコール入りのハンドクリーナー、ティッシュ、その他必要となる物をそろえておけば、発症してヒトに移す可能性のある間、外出する必要性を回避できて役立つと思われます。

咳やくしゃみを通してウイルスが広がるのを防ぐ最も良い方法は?
症状があれば、できるだけ人との接触を制限しましょう。発症したら、7日間または症状が消えるまで(いずれか長いほう)、職場や学校は休みましょう。咳やくしゃみをするときはティッシュで口と鼻を覆いましょう。それによって周りの人が感染するのを防ぐことができます。使ったティッシュは屑かごに捨てましょう。ティッシュを持っていない場合は、咳やくしゃみを手で覆いましょう。その後、手をきれいにします。咳やくしゃみをするたびにそのようにしましょう。

咳やくしゃみを通してウイルスが広がるのを防ぐ最も良い方法は?
症状があれば、できるだけ人との接触を制限しましょう。発症したら、職場や学校は休みましょう。咳やくしゃみをするときはティシュで口と鼻を覆いましょう。それによって周りの人が感染するのを防ぐことができます。使ったティシュは屑かごに捨てましょう。ティシュを持っていない場合は、咳やくしゃみを手で覆いましょう。その後、手をきれいにします。咳やくしゃみをするたびにそのようにしましょう。

インフルエンザへの感染を避ける最もよい手の洗い方は?
こまめに手を洗うことがウイルスへの感染から身を守るのに役立ちます。石鹸と水で洗う、またはアルコール入りのハンドクリーナーできれいにします。石鹸とぬるま湯で手を洗う際、15秒から20秒かけて洗うことを勧めます。石鹸や水がない場合は、アルコール入りの使い捨てのハンドワイプまたはジェルのサニタイザーを使ってもよいでしょう。それらはほとんどのスーパーマーケットや薬局で販売されています。ジェルを使うのであれば、ジェルが乾くまで手をこすりましょう。ジェルは水がなくても効果があります。中のアルコールが手に付いたウイルスを死滅させます。

発症したらどうすればよいですか?
H1N1(豚インフルエンザ)が確認された地域に住んでいて、発熱、体の節々の痛み、鼻水、のどの痛み、吐き気、おう吐、下痢などのインフルエンザに似た症状が出たら、特に症状が心配であれば、医師に連絡をして下さい。医師がインフルエンザの検査や治療が必要かどうか判断します。
症状があれば、できるだけ他人との接触を避け、他人に感染させないよう外出は控えるべきです。
発症して次のような警告症状があれば救急外来で診察してもらいましょう。

小児で、緊急受診が必要になる重症徴候には次のものがあります:

●呼吸回数の増加あるいは呼吸困難がある
●皮膚の色が青みがかっている
●水分を十分飲まない
●目が覚めない、または呼びかけに反応しない
●機嫌が非常に悪く、抱かれることも嫌がる
●インフルエンザのような症状が良くなった後も、発熱や咳が再び悪化する
●発疹を伴った発熱がある


成人で、緊急受診が必要となる重症徴候には次のものがあります:
●呼吸困難あるいは息切れがある
●胸部や腹部に痛みあるいは圧迫感がある
●突然のめまいがある
●錯乱状態になる
●重度のまたは持続的おう吐がある

今回の流行に対し、CDCはどのような対応を取っているのですか?
CDCは緊急対応の措置をとりました。当局の目標はウイルスの伝播とそれによる重症化を減らすこと、そして医療提供者、保健所の職員、一般の人が、新型ウイルスがもたらす問題に取り組むために役立つ情報を提供することです。CDCは、医師や保健関係者に対する新しい暫定指針を、継続して発表します。さらに、CDCの戦略国家備蓄部(SNS)は、抗ウイルス薬、個人用保護具、呼吸保護具を全米50州と米国の領土に継続して送り、H1N1(豚インフルエンザ)の流行への対応を支援しています。

最近の流行に対応して、どのような疫学的調査が行われていますか?
CDCは、H1N1(豚インフルエンザ)のヒトへの感染例が確認された地域の州当局者や地元当局者と密接に協力して対応しています。カリフォルニア州やテキサス州ではEpiAid(疫病支援)チームが展開され、多くの疫学的活動が実施され計画されています。
その中には次のものがあります:

●ヒトの感染が確認された国での積極的な監視
●H1N1(豚インフルエンザ)ウイルスに感染した患者に接した医療関係者に対し、感染がないかの調査
●感染が確認された人と家庭内その他で接触があった人に対し、感染がないかの調査
●豚由来のA(H1N1)型インフルエンザへのヒトの感染が3人確認された公立高校に対し、ほかに感染した人はいないか、また確認された人が他の人とどの程度の接触があったかなどの調査、および
●ウイルス感染者がどの程度の期間ウイルスを排出するのかの調査。

インフルエンザウイルスは本やドアノブなど、物の表面で、どのくらいの間生存が可能なのですか?
調査ではインフルエンザウイルスは周りの物の表面で、付着してから2〜8時間生存してヒトに感染させることが可能です。

インフルエンザウイルスを死滅させる方法は?
インフルエンザウイルスは熱(75〜100℃)により破壊されます。そのほかに、塩素、過酸化水素、洗剤(石鹸)、ヨードフォア(ヨウ素の消毒薬)、アルコールなど、いくつかの化学的殺菌剤でも、適切な濃度と十分な時間をかければ、ヒトインフルエンザに対して有効です。例えば、アルコールの入った手拭きやジェルを手を消毒するために使うことができます。ジェルは乾くまで手にこすりつけるべきです。

インフルエンザウイルスの広がりを防ぐためにごみはどのように処理すればよいですか?
インフルエンザウイルスが広がるのを防ぐために、発症した人が使ったティッシュや使い捨ての物は屑かごに捨てることを勧めます。さらに、使用したティッシュやその他のごみ類を触った後は、手を石鹸と水で洗うべきです。

インフルエンザウイルスが広がるのを防ぐためには、家庭内の清掃はどのようにすべきですか?
物の表面(特にベッドの横のテーブルの表面、トイレの表面、子供のおもちゃの表面)は、家庭用消毒薬で、製品ラベルに書かれた使用法にしたがって、拭いてきれいにしておきます。

発症した人のテーブルクロスや食器類はどのように扱えばよいですか?
発症した人のテーブルクロスや食器類は別にして洗う必要はありません。しかし、まずそれを十分に洗ってからではないと他の人が使ってはいけません。

ベッドのシーツやタオル類は家庭用の洗剤を使って洗濯し、高温のドラム式乾燥機で乾かします。自分自身が感染するのを防ぐために、洗濯物を洗う前に抱え込むことは避けます。汚れた洗濯物を扱った後は、手を石鹸と水、またはアルコール入りのハンドクリーナーを使って洗いましょう。

食器は食器洗浄機で洗うか、石鹸と水を使って手で洗います。

※注: 本文書の中の情報の多くは、季節的な(ヒト)インフルエンザに関する調査や過去の経験に基づいたものです。CDCは、この情報が新型のH1N1(豚)インフルエンザにも適用されると考えていますが、H1N1の特徴についてさらに詳しく知るために、このウイルスに関する調査が現在進行しています。本文書は新しい情報が得られ次第、更新します。


※本情報はCDCのホームページに掲載されている情報を正確に翻訳したものです。


 

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